2018年(後期)テーマ『現代におけるリベラルアーツの様相Ⅱ』

日程および会場は都合により変更になることもありますので、ご参加の際は当HPをご確認ください。

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第1回

9月27日(木) 

「椅子の名前:ライフスタイルの起源をたずねる」

■ 講師からのコメント

 椅子座の歴史が長い中国とヨーロッパでは、生活上の用途にしたがって、

多様な椅子の種類と呼び名がありました。そもそも椅子座と床坐はどのよう

な理由で別れてきたのでしょうか。私たちのライフスタイルを根本のところ

で定めている「坐」のあり方と座具の歴史について、各国の事例を古代まで

 

遡り、快適な暮らしのヒントを得たいと思います。

 

矢田部英正氏(造形作家 著述家)

第2回

10月25日(木)

 「津田仏教学入門」

(ご紹介):10月サロンの講師網代先生は、大本山室生寺の要職にありユングにも詳しい仏教思想研究者です。先生とは当会創立以前からご縁があり、いままで「ブッダの根本体験とユングの個性化」「インド哲学とユング」「密教における行の実際」など6回講演をしていただいております。今回の「津田仏教学入門」は7回目で、津田先生を通して、現代における仏教理解の深化の様相をお話しいただけるものと思っています。

 

講師メッセージ

  私が「学」に固有名詞を冠して呼ぶところの「津田仏教学」とは、津田真一氏による独創的な哲学的原理的仏教理解であり、その方法は古典文献学に基づき、根本仏教からサンバラ系密教への必然的(運命的)展開としてインド密教思想史の全体像を明らかにするものである。浅学菲才ながら私はかって「津田仏教学入門」と題した、氏の学を多くの人々に知ってもらうために、言わば入門書の執筆を思い立った。今回、還暦を機に取り掛かるべく、氏独自の術語とその難解な記述を、如何に平易にすることが可能か、改めて考える機会としたいと思っている。従って、講演の内容は、氏の仏教理解に基づく仏教基礎講座である。

 

網代裕康氏(蓮華寺住職、大本山室生寺教務執事)

第3回

11月15日(木)

  演題:『リベラルアーツとしてのファンタジー系マスマティクス』

 (=いやしの算術!?)~数秘術等の数学的原理を体得するなら“今だけでしょ”~

 

講師メッセージ

 2014年に『学校空間の研究』の出版に際して、拙論「教育空間としての茶室─野生の数学をめざして―」という論文を公表しました。今回は、芸術教育学にかかわるこの論文の、特に数学的内容にスポットライトを当て、優しくアレンジして展開します。芸術とは何か、美の方程式、神話論理の基本定式、シンクロニシティ、もはやお馴染みのウインド・クロッシング等の問題領域にもビジュアルも用いて言及したいと思います。“安心してください!”

ここでの数学は一種のファンタジーです。

 私の専門である茶道は本来、人間形成、すなわち自己創造の旅の地図として、リベラルアーツの理想をも共有するコンセプチュアル・アートであり、世界最古の土器を制作した縄文以来のナチュラルでセラピューティックな道(タオ)としても捉えられるものです。このような民族芸術・総合文化としての侘び茶道のまなざしから、レヴィー・ストロースが1960年代に実存哲学者サルトルと対峙しつつ主導した構造主義 ――この万華鏡にも比すべき野生の“交差的”な神話的思考(=ウインド・クロッシング)におもむくと共に、フッサールの現象学の数学的背景や、その現象学に新しい可能性を切り開いたメルロ・ポンティのパースペクティヴィズムについても触れられたらと思います。

 

黒川五郎氏(哲学者 茶道家)

 

第4回

12月20日(木)

予定

「文化とグローバリズムの現在 〜浅草でのムスリム・ハラール対応事例から世界を考える〜」

 

講師メッセージ

 私の住んでいる東京・浅草は、ムスリム観光客向けのハラール対応の先進的地域として全国的にも有名です。ハラールとはイスラームの教義において「許されたもの」を意味しますが、今回特に取り上げたいのはイスラームの食物規範に沿った食事の提供についてです。

 たまたま家族で近所のハラール対応飲食店に入ったことから始まり、私は、浅草の様々なハラール対応店に出向いて食事をし、幾つかのハラール認証団体や行政のハラール推進担当の方々に話を聞き、ハラールに関わる講座やハラール産業展に足を運び、実際にモスクに行ってイフタール(断食明けの食事)を一緒にいただいたりしてきました。

 そんな中で感じたことは、このハラール対応という具体的な事象の中に、現代における世界的な問題、特に文化アイデンティティとグローバリズムの問題が凝縮されていて、そこから今の世界を理解するための様々な観点が見えてくるということでした。

 今回のユングサロンでは、文化、宗教、歴史、国家、社会、紛争といった大きなテーマから、業界やビジネス上の具体的な話、果ては浅草のグルメ情報まで、様々な領域を横断しつつ、今の現代を考える上で重要と思われる視点を提供できればと思います。

 

白田信重氏 (ユング研究家)

 

 

 

 

 

 

講師

氏名 プロフィール

矢田部 英正

(やたべ・ひでまさ)

  1967年生まれ。筑波大学大学院体育研究科修了。整体協会にて研鑽を積んだ後独立し、日本身体文化研究所を主宰。武蔵野美術大学講師。大学では体操競技を専門とし全日本選手権、インカレ等に出場。選手時代の姿勢訓練が高じて日本の修行・芸道の身体技法を研究する。

 姿勢研究の一環として椅子のデザイン開発に着手。「身体感覚のデザイン」をテーマとしたプロダクトレーベル?Corpus”をプロデュースし、デザイン・製作を手掛ける。椅子の販売・コンサルティング会社の顧問も務める。

 著書に『椅子と日本人のからだ』(晶文社/ちくま文庫)、『たたずまいの美学』(中央公論新社/中公文庫)、『美しい日本の身体』(ちくま新書)、『日本人の坐り方』(集英社新書)、『からだのメソッド』(バジリコ/ちくま文庫)などがある。最新刊『坐の文明論』晶文社。

 URL:http://www.corpus.jp

 

網代 裕康

  真言宗室生寺派蓮華寺(東京都杉並区)住職(権大僧正)。室生寺責任役員・教務執事。大正大学大学院修士課程修了(1982)仏教学専攻。東方学院(故・中村元 東大名誉教授設立)にて津田真一 元国際仏教学大学院大学教授に師事(1988-2008)。【加入学会】日本印度学仏教学会、仏教文化学会、仏教思想学会、東方研究会、豊山教学振興会。【最近の講演会及び執筆】「水」への祈り『密教の宝を護る竜王』:奈良学文化講座(JR東海主催 読売ホール2017//20)月刊『大法輪』2018,4月号(特集記事)「般若心経・読経の心得」。

  

黒川 五郎 

 フィロソファー/茶道家。慶応義塾大学文学部卒業後、教職の傍ら人間形成

の芸術哲学(WINGED CROSSING)を構想。教育哲学会等での研究発表が好評を博し、総合科学研究機構(筑波産学協同棟)教授、青山学院大学講師等を兼任。現在、茶道をコンセプチュアル・アートとして展開するティー・セラピー・スタジオ芸術教育学研究所所長。裏千家茶名: 宗五。著書:『ティー・セラピーとしての茶道』『ティー・セラピーへの招待』(川島書店)、『新しい茶道のすすめ』(現代書林)他。http://tea-therapy.com

 

 白田 信重

(はくた のぶしげ)

 ユング心理学研究会会長代行。浅草の老舗石屋「白田石材店」代表取締役社長。早稲田大商学部卒。当研究会主催のユングの著作を読み進める「ユングスタディ」企画の進行役。今期ユングスタディのテキストは『アイオーン』(1951)。

 

 

 

 

 

 

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